コラム「子どもは秩序正しいことが好き」|幼児教室探しの『幼児教室どっとこむ』

−子どもは秩序正しいことが好き−

1〜3歳の乳幼児と“秩序正しい”ということとはイメージ的に結びつきませんね。でも、実はこの時期の子どもは“秩序正しい”ことが好きなのです。
“秩序正しい”とは、「あるべきものがそこにある」とか、「来るべきことが来るべき順序で来る」ということです。

生活の中の秩序というと、1日のスケジュールなどがありますね。朝起きる〜着替えをする〜朝食〜お父さんのお見送り〜(中略)〜お風呂に入る〜寝るetc. またその1つひとつの事柄の中にも、いつもの順序やきまり事や儀式的なものがあります。
例えばお食事の時には誰がどの席にすわり、箸やスプーンを並べ、「いただきます。」と言ってから食べ始め、「ごちそうさま。」と言って終えるとか、お風呂に入って湯船に浸かる時には「1、2、3…」と数をかぞえたり歌を歌ったりするご家庭もあるでしょう。夜、床につく時は子どもが一番安らぎと幸せを感じる時ですが、いつも、大好きなお母さんやお父さんにお話をしてもらったり絵本を読んでもらうなど。こういう一連のことが規則正しく毎日毎日繰り返されることを子どもは好みます。

教室でも一日のスケジュールは決まっていますので、これをしたら次は何をするのか、ということを子ども達はよくわかっています。「さあ、お食事にしましょう。」と指導者が声をかけると、子どものうちの一人は手を拭くおしぼりが入っている袋を持ってきて、テーブルに1つひとつおしぼりを並べ始めます。もう一人の子どもは、別の入れ物から、スプーンとフォークを出してテーブルに並べ始めます。また、お帰りのご挨拶のセレモニーの中に“ひげじいさん”の歌を、子ども達のリクエストしたものに変身して歌うという場面があるのですが、子どもの中には朝から「今日は私、バイキンマン」と、もうお帰りの“ひげじいさん”を思い浮かべてリクエストする子もいますよ。またある子は「“ひげじいさん”しよう?」とことあるごとに指導者にせがんでいることがありました。きっと早くおうちに帰りたかったのですね。

物の整理整頓も“秩序正しさ”の中に入ります。
子どもはいつどのように記憶するのか、何がどこに収まるべきかをきちんと知っています。これはお母様もご自分のお子さんで経験なさっていることと思いますが、教室でもどの教具がどの棚に置いてあるかを子どもはよく見ていて、お片付けの時、子どもに「これはどこにあったかな?」と言うと、あるべき場所に持っていきます。あるいは「Bちゃん、先生に折り紙を1枚もってきてくれる?」というと、2歳になったばかりのBちゃんでも、折り紙の入っている引き出しから折り紙をもってきてくれます。

コミュニケーションの面からの秩序というと挨拶の言葉などがあります。
「おはようございます」「おやすみなさい」「こんにちは」「いただきます」「ごちそうさま」「おかえりなさい」や、ものを頂いた時やものをして頂いた時の「ありがとう」。また「ごめんなさい」もとても大切な言葉ですね。
これをしたら叱られる、これをしたら誉められるということにも秩序感が求められます。
お母さんのその時の感情で叱ったり誉めたりすると子どもの心は「?」になりますよ。

この“秩序正しさ”への敏感期は1〜4歳で、その後は残念ながら薄れていってしまします(モンテッソーリの教育理論より)。ですから“1〜3歳は秩序正しい基本的な生活習慣やしつけが最も身につけやすい時期”ともいえます。
そして逆に、これは重要なことですが、この時期に生活のリズムが安定していないと、子どもの心と頭の中はいつも「???」で情緒不安定になります。大人はイベントが好きですが1〜3才の乳幼児は大人が「退屈で死にそう!」と思うほど毎日同じことの繰り返しが好きで、同じことを繰り返しながら情緒を安定させ、来るべき学齢期への準備を知能や精神や身体の面から整えています。この時期のお子さんをお持ちのお母さん、どうぞ前向きにお子さんに付き合ってあげて下さい。そして人間の性格形成に一番大切といわれるこの時期に、情緒が安定し、基本的な生活習慣としつけがしっかりと身についた人間にご自分のお子さんを育てましょう。
お母さんのイベントは? お子さんのお昼寝の時にでも!

キッズラーニング
代表 三田 淑美先生
※現在教室は閉鎖しました

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