コラム「小さいお子さんを持つ お父さん・お母さんへ」|幼児教室探しの『幼児教室どっとこむ』

−小さいお子さんを持つ お父さん・お母さんへ−

先日、20代のお父さんからメールを頂きました。初めての子どもを持ったうれしさに溢れた内容でしたが、熱心さのあまり、生後2か月でもうどんな教室に通わせたら良いだろうと云うご相談でした。
「えっ、もう?」とかなりびっくりもし、世の親御さん方が何が何でも子どもの教育に遅れをとってはなるまい、という気持ちを持っていることに不安にもなりました。もちろん生まれたその時から教育は始まっているのですが、それは幼児教室にオーダーして、何かを身に付けさせると云うことではないと思います。こんなに早く思い立つお父さんも珍しいかもしれませんが総じて世の中が教育に対して少しずつ前倒しになっている気がして私なりの意見を、より多くの方に伝えたいと思い前出のお父さんにお返事したメールを皆さんにも紹介しようと思います。

メール拝見しました。初めてのお子さんを得て、真剣に子育てに取り組もうという気持ちが伝わってきます。唯一無二の我が子に何をしてやろう、何をしてやれるだろうという思いは、とてもよくわかります。そして視線の先にはあれこれ取り沙汰されている様々な幼児教育が見え隠れするのも最近の傾向なのでしょうね。
でもちょっと待って下さい。お宅のお子さんは今2か月ですよね。まだ2〜3時間おきに授乳を繰り返している時ですね。ここからお子さんはどのように育っていくのでしょう。もうすぐ首が座り周囲の認知を少しずつ始めるでしょう。4〜5ヶ月までは誰があやしてもニコニコしていたのが、お母さんという存在をはっきり認識し、お母さんに一番強い執着を示します。腹這いにさせると首を上げ手をついて支えるようになり、やがて這うようになるでしょう。食べ物も母乳あるいはミルクだけから、少しずつ口に入れるものの種類が増え、やがて1歳を過ぎる頃には完全に離乳をするのでしょう。その間に喃語という言葉が出始め少しずつ少しずつ言葉を理解していきます。

この間教育とかしつけとかはできるのでしょうか。中には1歳前からコンピューターに触らせるなどというプログラムを持つ教室もありますし、知育の先駆けのようなことをする教室も無くはありません。
でも私はこれは無意味と考えます。
1歳を過ぎるまでの教育はもっぱら親子の間で行われるべきですし、もちろん初めての子で教育なんて何をしていいかわかりませんとおっしゃる方もいますが、何か見える形での教育ということではなく規則正しいリズムのある生活をすることや、動きたい意欲、食べたい意欲を潰さないよう、自主的に取り組もうとする芽をつまないこと、シャワーを浴びせるように言葉をかけて(話せるのはもっと後にしても)言葉への興味、ひんぱんに使われている言葉の理解をつけること。許されることと許されないことの範囲をきちんと分けておくこと、それをきちんと実行すること。(たとえば触ると危険なもの、壊されては困るものは、子どもからいつも遠ざけておくこと、子どもが欲しがっても大人の都合で、ある時は渡してしまう等と云うことをしないこと)頻繁に外に連れ出して(公園、買い物等)外界から受ける視覚、聴覚刺激をたくさん受けさせること、このようなことが充分に保証されることが、1歳前後に成長するまでに子どもに必要なことです。
この基本がきちんとできていれば、コンピューターでも水泳でも何でもすればいいと思います。でもこの基本を丁寧に実行することはそれほど簡単なことではなく、しかも子どもも同じだけの持ち時間の中で生活しているのです。そして基本がきちんと身に付かないうちは何か他のことをやってみてもちぐはぐでプラスに身に付ことはないでしょう。

パルでは1歳半からのお子さんを受け入れていますが、その理由は以上のようなことを踏まえているからです。1歳半にもなると身体的にもだいぶ独立してきますし、言葉の理解もかなり進んで、目の前の状況を不安に思わずに受け止められるようになるものです。それでもパルの授業内容はさらにこの先、身体的情緒的にいかにまっすぐ伸びていけるかに重点を置いていて、あからさまな知育に幼児の身をさらすということはさけるようにしています。
「知育の入り口は生活の中から」が一番なのです。生活に密着しない知育はただそれだけが孤立して、多岐に応用の利かないものになりがちです。

というわけで、当分の間は上記のようなことに重きを置いて、おうちでお子さんの成長を一時も見逃すこと無く、楽しんで養育していただくことをおすすめします。その後、興味がおありでしたら、私どもの教室なりをご見学ください。そして、それまでに見極めておいた我が子の性格をしっかりふまえた上で、楽しいプログラムを選択なさることをおすすめします。

幼児教室 パルクリエイション
代表 高崎 利子先生

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