コラム「子どもに考えさせること・それを待つこと・見守ること(後編)」|幼児教室探しの『幼児教室どっとこむ』

−子どもに考えさせること・それを待つこと・見守ること(後編)−

子どもに考えさせること・それを待つこと・見守ること順番だから、という呪文で降ろされた子は、不満ばかりが残ってイライラするか、もしくは自分の行動を他人まかせにする子に育つかもしれません。
『順番を守ることに関しては、もう少し体が大きくなって足腰もしっかりして、少しくらいの押し合いにも耐えることができるようになって、順番争いでもめてみて、そこから少しずつ守れるようにしていけばいいことだ』と私は思います。

でも今は順番を守ることの是非より、幼児がものを“考える”ということに着目して欲しいと思います。“考える”為には何かに行き当たらなければなりません。不思議だと思うこと、おもしろいと思うこと、そして友達とのトラブルに至るまで、何事かにぶつかって初めて人は“考える”のです。
しかも“考える”という行為は人間の根源であり、証であるはずです。すべり台のすれ違い限らず、幼児が生活の中で考えるチャンスを守ってあげることが大切なのではないでしょうか。おもちゃの操り方がわからなくて、しばらくボーッとしていたり、でたら目に動かしている子がいたとして、「それはこうやるのよ!」と教えてしまうのでは、子どもは考えるすべを失います。日常生活の中で、思い当たることは無いでしょうか。

つい先週も、見学にいらっしゃったお母さんが、すべり台を登り始めた我が子を、まだ何も起こらないうちから、すべり台の上に立っている子に「ごめんなさいね」と子どもに考えさせること・それを待つこと・見守ること声をかけ、「だめよ、向こうに回って順番でするんでしょ?」と言いながら、抱き上げてしまいました。もちろん私は、そんなときに行動を止める必要はないので、やらせておくように伝えましたが、お母さんは「公園でも、児童館でも、すべり台の逆走はだめな雰囲気なんですよね」とおっしゃっていました。私も公園でよく見かけます。すべり台や砂場遊びで、子ども同士がぶつかりそうになると、サーッとお母さんが飛んできて、お母さん同士で謝りあって回避してしまう場面を。大人のルールをそのまま子どもに適応するのは、子どもにとって意味があるのではなく、大人同士が気まずい思いを避けたいからなのでしょう。

上記のようなことは、すべり台、砂場の場面に限りませんし、年齢も2才には限りません。色々な場面で、適切なときに子どもに“考えさせるキッカケ”を持たせることが大切です。一見考えているように見えて、実は単に言われたことをそのまま覚えていくような教育をしていませんか?
とにかく子どもには『体験を通して自らが欲して考える、という行為をする機会』を持つことが必要だと思います。

−子どもに考えさせること・それを待つこと・見守ること(前編)−はこちら

幼児教室 パルクリエイション
代表 高崎 利子先生

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