コラム「人を傷つけない人間にするにはA」|幼児教室探しの『幼児教室どっとこむ』

−人を傷つけない人間にするには A−

なんでも言うことを聞いてあげる事は決してよいことではないと申し上げましたが、大人の側がそのように思ったとしても子どもにはうまく伝わらないことがよくあります。
よく見る光景ですが、いけないことをした時に叱られているにも関わらずひっくりかえって泣き叫ぶこどもは、いけないことをしたということは理解しても言われた内容を聞こうとしていないと言えます。
つまり、コミュニケーションの基本であるキャッチボール自体を拒否していることを意味します。

今、世の中全体で問題になっているコミュニケーション能力の低下はこのようなところから始まっていると言えるのです。でも、多くの大人は幼い子どもが駄々をこねていると安易に捉え、幼いので言っても無駄と思ってしまうようです。その結果、なだめたりすかしたりして、伝えたいことそのものもあやふやにしてしまうのです。そのようなことを繰り返すことで幼児は「泣き叫んだりやる気のなさを表現すれば大人はあきらめてくれる」ということを学習し、なにか自分の意思を通したいときはこのような行動に移るようになるのです。

ですから、してはいけないことをした時は、口先だけで怒るのではなく、本人がしてはいけないと理解し二度としないような叱り方をする必要があります。そのようにお話しすると、頭ごなしに叱る方がおられます。決してなさらないで下さい。なぜそうしてはいけないのかの説明がないため、どうしてしてはいけないのかが分からない状態が続きます。すると、したい欲望が起きた時、頭で考えることができず、感情を自制できなくなります。なにより、反抗心を持ち、人を警戒するようになるからです。

また、できるだけ「ごめんなさい」を言わせない様にしましょう。子どもは叱られている状態から脱するにはおとなしく大人の言うことを聞き謝ればよい、ということを学習してしまいます。すると、素直に聞いているように見えるだけで内心は『嵐が過ぎ去れば良い』と思う子に育ちます。これでは、言われている内容を聞いて理解する気持ちは持たず、結果、ものを考える力が育たず、してはいけないことを何度言っても繰り返す子になってしまいます。

同様に、家庭内では叱られている時はしっかり反省することができても、環境(来客がいたり外で似たようなことが起きた時)が違うと反省どころか聞く耳さえ持たない子どもがいます。そのような子どもは、親が体裁を気にするタイプであることを見抜き、環境によって叱り方が変わるということを学習してしまっていると言えます。

このように、子どもたちは親の言動をしっかり見て「自分の出方」を決めています。つまり、生まれながらに相手を見るということができているのです。それが現代では、大きくなるにつれ自分中心になるといった世の中は、成長どころか退化していると言えるのではないでしょうか。   … つづく

母と子のオムニパーク(潤心会)
福岡 潤子先生

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