コラム「人を傷つけない人間にするにはD」|幼児教室探しの『幼児教室どっとこむ』

−人を傷つけない人間にするには D−

また懼れていた事件が起きてしまいました。夏祭りの最中、何の罪もない人々を殺傷した事件のことです。
本人には本人なりの言い分があるようですが、残された人々の悲しみや心の傷を思うと、このような事件の起きなかった以前の社会に戻る事はできないのかと、真剣に考えてしまいます。

さて、今まで叱ることで親の価値観を伝えるとお話してきましたが、言葉のかけ方ひとつで違った意味にとられたり、子どもの都合の良いように理解されたりもします。
つまり、母親として伝えたいことを言ったのだから、相手(我が子)が理解したと思うのは勘違いだということです。
幼い子に対しては、「お友達のいやがることはしない。」「自分がされて嫌な事はしない。」という事を教えるのが基本です。が、これでは共に禁止の言葉になっています。内容的には同じでも、「おともだち、エーンて泣いているよ。どうしてかしら?○○ちゃん、このおててでエイってしなかった?」というように、相手の感情を汲み取ることや、自分の言動の何がいけなかったのかを具体的に理解させ、次からはどのような言動をすべきかを知らせることが大切です。
ところが実際には我が子にうまく伝えることができないというのが現状ではないでしょうか。

例えばお金で遊ばないということを伝えるとき、皆さんはどのように我が子に話されるでしょうか?「@汚いから、さわらないの!」「Aお金は遊ぶものではありません!」「Bこれはママのもので、あなたのオモチャじゃないからさわらないのよ。」いろいろな言い方がありますね。
@は文字通り、汚いものを触っていると病気になるからと言っています。確かに幼い子はすぐに口に入れますし、大人より免疫力がないので病気にかかりやすいと言えます。
Aは頭ごなしにこういうものだと言っています。子どもは『どうしてお金は遊ぶものじゃないの?遊びたい。』と思うのではないでしょうか。なぜなら理由を一切述べていないからです。観てないところで遊んでしまいそうですね。
Bは人のものと自分のものという区別と、おもちゃという子どもの遊ぶものではないと伝えています。一見、よさそうに思えますが、一番大切な、お金が何であるのかを伝えていません。これでは自分のものになったコインやお札は好きなようにしてよいと思われてしまっても、仕方がありません。
「お金はダイジダイジなのよ。お店で買いたいものがあっても、お金がないとお店の人はどうぞって言ってくれないの。こまっちゃうでしょ。だからなくさないようにおさいふにしまっておきましょうね。」「パパがお仕事をがんばってくれると、どうぞってお金をもらえるの。一生懸命がんばるとお金に変身するのよ。それをおもちゃにして遊んでもいいのかな?」というように言うことで、初めてお金の意味や価値を知ります。
その際、「お金は大事なのよ。お金があれば何でも買えるの。」と言ってしまうと、『そうか、欲しいものはお金があれば何でも買えるのか』と思ってしまい、本当に伝えたいことが 違ってしまいます。

本当に言葉って難しいですね。それだけに、大人が子どもに何かを伝えたいと思ったとき、概念 やモノに対する考え方を整理しておく必要があるのではないでしょうか。   … つづく

母と子のオムニパーク(潤心会)
福岡 潤子先生

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